「ジャンヌサマリーの肖像」をイメージした香水

ルノワール作「ジャンヌ・サマリーの肖像」

2013年7月、ロシアのプーシキン美術館から横浜美術館へ、ルノワールの傑作である「ジャンヌ・サマリーの肖像」が来日しました。

ピンク色に包まれた、夢見るような女性のまなざしが印象的で、こちらまで幸せなオーラを届けてくれるような、素晴らしい絵画でした。

 

この幸せな微笑みを、香りで表現することができたら…。

そう願って、香りづくりを開始しました。

PortraitofJS2

Portrait of Jeanne Samary Pierre-Auguste Renoir 1877  oil on canvas

 

 

フルーティ・フローラルの香りに包まれて

No.827 Fruity floral

可愛らしくて華やかなフルーティの香りと、石鹸のような清潔感もあり、まろやかで幸せな雰囲気に包まれる。

ルノワールの描く絵は、すべて優しい感じが出ているけど、この絵は特に優しく、充実した精神を感じる。明るいピンクの背景が、モデルのジャンヌ・サマリーという女優の輝きを、あますところなく表現している。

ルノワールとジャンヌ・サマリーは、数年間は恋人同士だったという説もある。とてもロマンティックで、幸せがあふれている。恋愛初期のキラキラした輝かしい恋のよう。

 

 

女心と、ピンクの濃淡

No.109 Carnation

女の子がドレスを着たり、おしゃれをしたりして褒められると、嬉しくてピンク色の気分になってしまう。何種類の色彩が重なって、豊かなピンクが表現されている。

ストロベリーブロンドの軽やかな髪が、可愛らしさと気品を表現している。

背景に花を散りばめるより、もっと華やかなピンク色。見ているとこちらもつられて笑顔になってしまうような、幸せなオーラに包まれている。

 

夢の世界を生きるひと

No.414 Cassis

カシスの香りは、いつも新鮮な可愛らしさと、ちょっと大人な色合いと落ちつきを兼ね備えた、夢のようないい匂い。

ひとつの夢があって、その中にたくさんのときめくものがつまっている、誰にも邪魔されない世界のイメージ。大人になると、現実を見るようになって消えていく、デリケートな子どもの描く夢。

 

ルノワールは、若いころに絵の師から「君は自分の楽しみのために絵を描いているようだね」と言われ、「楽しくなかったら絵なんか描きませんよ」と答えたという。78歳で亡くなるまで4000点にも及ぶ作品を描き続けた。

 

人は楽しいことをしているときが一番輝いている。

人によって楽しいことはさまざま。絵を描くことが好きな人と、演じることが好きな人。料理が好きな人もいれば、掃除が大好きな人もいる。政治や法律が好きな人もいる。すべての人が、大好きなことをして世の中が回るようになったら、どんな世界になるだろう?

 

20歳のジャンヌ・サマリーがもつ魅力

No.***

優しく輝く光のような存在。

一緒にいると心が明るくなるような、若さと希望に満ちた、力強いまなざし。

この絵が描かれた当時、20歳のジャンヌ・サマリーは、Comedie-Francaiseという劇団の人気女優だった。

彼女の持ち味である、ピンクで、陽気なイメージは自分では気に入っておらず、同じ劇団のトップ女優であったサラ・ベルナールのような、しっとりとした大人の女優像に憧れを抱いていた。きっと、より素晴らしい女優へと成長する夢を描いていたはずで、その夢が、いきいきとした輝きとなって、彼女を包んでいたのかもしれない。

本人の理想と、周囲から見たその人の魅力やイメージはギャップがあることが多い。

ルノワールは、ピンクを基調にしながらも、彼女を洗練された女性として描いた。

明るさと、上品だけれど堅苦しくない、リラックスした微笑みが本当にきれい。

 

愛あるローズ、バラ色の頬とくちびる

No.102 Rose

愛と夢に満ちている香り。彼女のバラ色の頬と、くちびるがとても愛らしい。

女性が一番輝いている瞬間を切り取られた絵画には魂が込められていて、画家の女神(ミューズ)は永遠の微笑みをたたえている。

女優・ジャンヌ・サマリーをモデルとして、恋人として、そして兄や父のような、温かく見守るまなざしも感じる。

女性は描かれることで輝きを増し、画家はモデルからインスピレーションを受けてよりよい絵を描く。良い協力関係ができている。

柔らかなピンクのバラが放つ、永遠の芳香のような美しさがそこにある。

 

夢のようなグリーンのドレス

No.***

柔らかい素材のグリーンのドレス。夢のような甘い香り。

この絵のドレスは可愛らしくて華やか。ドレスの色彩がピンクを際立て、白い肌をきれいに見せて、全体のカラーを引き締めている。

花と葉の色の対比のように、お互いを引き立てあっている。

 

ロシアの秘宝、2年越しの来日

No.107 Gardenia

ジャンヌ・サマリーは、この絵が描かれた3年後に、裕福な男性と結婚する。

やがて3人の子供に恵まれるが、幸せな結婚生活も長くは続かず、10年後、腸チフスにかかり、33歳の若さで亡くなった。

その後、ジャンヌの夫の元から画商の手に渡ったこの絵は、絵画コレクターであるモロゾフの目に留まり、ロシアに渡る。

 

ロシアは、「秘密の国」というイメージがある。

今回、プーシキン美術館展が開催されなければ、この絵のことは知らないままだったかもしれない。本来は、2年前の震災の年に開催される予定だったそうで、この絵のキャッチコピーは「やっと逢えたね」だった。

 

ロシアから海を越えて、日本へやってきてくれた、幸せな絵画。

素敵な出会いに感謝したい。

 

印象派の光と色と、美の視点

No.***

印象派は、イメージや光を捉えて、キャンバスに鮮やかに描き出す。

タッチは荒くても、少し離れてみたときに、さまざまな色彩が美しく調和して見える。

 

万物があらわす現象のなかに、美が存在している。

一見なめらかな肌でも、顕微鏡で拡大すれば、皮膚を守る菌と雑菌との戦いが繰り広げられている。地球を宇宙から覗いてみれば、戦争をしている場所と平和な場所がある。

 

どこに焦点を当てるかで、芸術作品はまったく違ったものとなる。

 

美しいものを、美しく描き出す芸術。

ルノワールの絵には、美と、優しさがにじみ出ている。

 

永遠を生きる、心の鏡

No.602 Ambergris

たったの33年間という、ジャンヌ・サマリーの短い人生。

その最も輝いた瞬間をルノワールが描いたことで、130年を超える時を経た今もなお、世界中から称賛され、輝き続けている。

 

うるんだ青い瞳が、時空を飛び越えて、何かを訴えかけてくる。

サマリーがルノワールを、ルノワールがサマリーを見ている。

ふたりの瞳の間で描き残された絵画は、鏡のようになって見る人の心に映るのかもしれない。

この絵を見て、幸せを感じる人、どこか悲しみを感じる人。

いろいろな心を映し出す、生きている表情がある。

 

ふたりの間に漂う、フラットな愛情

No.117 Narcissus

やわらかな白い肌。

アクセサリーは少しだけしか必要ない。シンプルで飾らず、リラックスした印象。

サマリーは、ルノワールのことをどう思っていたのだろう。

「ルノワールは、結婚に向く人ではありません」

「彼は、彼が描くすべての女性と結婚するわ。ただし、絵筆と一緒にね!」

彼女は、そんな言葉を残している。

お互いに相手の才能に魅力を感じた二人だったのかもしれない。

そこに燃え盛る情はなく、フラットな協力関係がある。

 

「美」を切りとる、画家のまなざし

No.601 Musk

ルノワールは、コメディ・フランセーズ自体は好きではなかったが、モデルのジャンヌに会いたくて、アトリエから200mほど離れた彼女の自宅に足しげく通った。

しかし、彼女に惚れ込んではいても、恋に浮かされて完全に骨抜きになってはいない。幸せな絵の中に、画家の冷静なまなざしがある。

 

美しい花が咲き、その甘美な香りに引き付けられた蝶のように、ジャンヌ・サマリーという存在が放つ美を感じ、画家として、その美を芸術としてキャンバスに写しこむ。

そこに、大きな愛がある。美しく咲くミューズへの、称賛と感謝を添えて。

 

アールグレイの紅茶を飲みながら・・・

No.002 Bergamot

 画家の冷静なまなざしから、計算しつくされた色彩美。

けれど、この絵に堅苦しさはない。複雑な絵画の理論も必要ない。

ただ素直に「可愛い」、「幸せそう」と言える、良い気楽さがある。

 

ベルガモットが香るアールグレイの紅茶を飲みながら、リラックスして過ごすひと時に、この絵が存在していたら、とっても優雅で満ち足りた、幸せな空間になるに違いない。

 

こうして香りができました。

この絵の特徴は、なんといっても素敵なピンク
そして、夢見るような微笑みと、差し色のグリーンのドレスだと思います。

香りと色彩を意識しました。

実際に絵を見てこの絵に惹かれ、ジャンヌサマリーとルノワールのことを調べながらかなり感情移入してつくったので、なかなかいいものができたと思います。

その世界に入れば入るほど、香りになって答えてくれるところが香楽のいいところです。

山下先生も横浜美術館にこの絵を見に行ったようで、「本当に、こんな感じのイメージだった!」と言っていただけました。

いつもドキドキしながらお見せするのですが、こうして喜んでいただけるのがとっても幸せな瞬間です。

 

 

制作年月

2013年9月

制作No.265

 

山下文江先生の本「香楽-香りで広がる心のアート」が出版されます。

先日、できたてほやほやの本書を見せて頂きました。

香楽 ― 香りで広がる心のアート

まず、表紙のイラストがとっても素敵なのです!
イラストは、雑誌VOGUEやanan、Frauなどの表紙を幅広く手掛けてられいる永宮陽子さん。

香水ビンの中に幸せなイメージがふわりと咲いている感じで、
香楽の楽しさをそのまま表していて、美しいです。

 

装丁もなかなか凝っていて、紙のカバーを外した中身もカラーになっていまして、
表紙の厚紙は外側から折り込まれていて、見たことない装丁でとってもお洒落でした。

これはフランス式の装丁なのだそうです!

中身も章ごとにカラフルな紙が使われていてとっても魅力的でした。
パラパラとめくるだけでも楽しいです。

香りの良さ、楽しさを存分に表現するために工夫を凝らされたそうです。

購入された方は、本文だけでなく、本全体のすみずみまで楽しんでみてくださいね!

 

本文も。香楽の魅力がぎゅっと凝縮されていて分かりやすく、色んな人の事例を交えて紹介されています。
(その中に私の事例もあるのです(*’▽’))

このサイトでも、香楽の魅力を色々とご紹介する予定ですが、
この本を読めば一発ですね。


香楽 ― 香りで広がる心のアート
山下文江(著)
ハースト婦人画報社

2013年11月29日発売です!

オリジナル香水Theia、OPENしました!

山下文江先生の著書でご紹介いただき、先生のおかげでオリジナル香水を発表させていただけることとなりました。
このことは私の人生の転機でもあり、とても幸せな流れにドキドキしています。

はりきってホームページ作りに挑みましたが、結局は、Wordpressというブログ形式のホームページに落ち着きました。

「香りのデッサン」などは毎月更新しますので、お楽しみに!

このサイトを見てくださったすべての方に、素敵な香りの旅をお届けできたらうれしいです。

Animal Tamer(猛獣使い)は、今月末か2014年1月の発表になるかと思います。
発売に向けて色々と準備中です!

では、これからもよろしくお願いします。

めぐみ