カート・コバーンは匂いの芸術家だった?

前の記事で、人物をテーマにした香りは難しいと書きましたが、そういえば、今まで作った香りの中に出来の良いものがいつくかありました。 そのひとつが、1987年に結成された伝説のロックバンド「ニルヴァーナ」のメインヴォーカル、カート・コバーンさんをイメージした香りです。 “カート・コバーンは匂いの芸術家だった?” の続きを読む

一人で優雅に過ごす「ホワイト・クリスマス」をイメージした香水

今回は、ホワイトクリスマスに一人優雅なバスタイムを過ごす、真の豊かさをテーマとした香りです。

香楽で作った香りのデッサン

香楽について知りたい方は、こちら→香楽とは

では、香りの制作ノートをご紹介いたします。

img12009

香りの名前

ホワイト・クリスマス

香調

フルーティフローラル・ウッディ

ジャスミンとゼラニウムを基調とし、爽やかなウッディノートをアクセントにしたフルーティフローラル・ウッディの香り。

香りの制作について

制作No.114
2009年12月2日

香の具®使用本数 8本

ima2009

No.881

可愛らしい、石けんのような香り。

良い匂いがして肌にも良い成分が入ってそう。保湿してくれつつ洗い上がりはさっぱりとした感じ。

一日の終わりに良い香りのソープで洗顔したり、お風呂で身体を洗うと、心も体も癒されそう。幸せでほっとした気分になる。

色のイメージは、淡いピンク色。パステル調で透明ではなく、ミルキーな感じ。

淡いピンクから、だんだん水色に変化しそう。

フルーティフローラル

No.101

やわらかく優しく温かい香り。No.881が可愛いので、可愛い子にファーのふわふわの飾りをつけて暖かく、かわいらしさを引き立てるような感じ。それか、白いマフラー。

No.881の香りとも、とても良く溶け合いそう。

ジャスミン

No.106

雪が降っているような寒空の下で、素敵な女の子が歌を歌っているみたいなイメージ。

その子の声は不思議で、心のぬくもりを取り戻してくれるような、温かい歌声で、歌を聞いた人はとっても癒される。天使が見えそうな感じ。

ゼラニウム

No.110

雪の中、キャンドルを持った天使たちが、少女の歌声に誘われて、地上に降りてくるみたい。

BlueAngelVioletTwinkle
BlueAngelVioletTwinkle / mareeshastar

天使が白い羽をはためかせると、この世のものとは思えないくらい甘くて良い香りが広がって、異空間、ファンタジーの世界にいるような気分になってしまう。

チュベローズ

No.004

天使のキャンドルからこぼれた光が空気中にとどまって、光の玉がたくさん灯っているように見える感じ。あまりキラキラした感じじゃなく、あたたかくやわらかい光。

ベルガモット

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No.601

寒い場所で飲む、温かい飲み物のイメージ。クリスマスの時に飲むエッグノックとか、ちょっと濃いめでお酒が少し入っている。

心も体も温まる感じ。
IMG_7094 - Eggnog latte
IMG_7094 – Eggnog latte / aaron_anderer

 

No.602

夢の世界と現実の世界をつないでくれる扉のよう。

離れたものをまた一つにしてくれる力を持っているような、不思議な香り。

初めて会ったのに、昔から知っている人のようなイメージ。

心にふわっと不思議な温かい光がともるような、素敵な香り。

 

No.513

やっぱりこの季節は、クリスマスツリー。モミの木の香り。飾りをたくさんしてあって、ツリーを見るとほほえんでしまうような感じ。ツリーの下にはプレゼントがあって、夢のような光景。

イルミネーションも、きれい。

モミの木の香りって、やっぱり魔よけの意味もあるのかも。

Tree and Presents
Tree and Presents / alliecreative

ウッディ

香りのイメージ

最初のNo.881のソープの香りと、そのあとのクリスマスのイメージとが少し合わないかなと思ったけど、No.602の香りで「離れた2つの世界をつなぐ」というイメージがいいなと思った。

なので、クリスマスの夜(ひとりでも)、ちょっとリッチな石けんを使ってお風呂に入ったら、素敵なファンタジーの世界で天使と繋がって、心の中でとてもリラックスした素敵なクリスマスのイメージが広がっていく。というイメージにしたい。

Spa in DVN
Spa in DVN / Dennis Wong

 

 

香りの処方

No.881の夢のような石けんのイメージを基調に、ファンタジーの世界で天使と繋がれるよう、106、110、004をしっかりと入れました。そしてあまりふわふわ可愛い天使のイメージばかりにならないよう、現実感のある木の香り、ウッディをアクセントとして加えました。

 

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ホワイトクリスマスのイメージにあった香りとなった。雪の中、サンタさんがトナカイのソリに乗ってシャンシャン鈴を鳴らしながら降りてきそう。

現実のギスギスした感じがなくなって、ふんわりときめくファンタジーの世界に行ける感じ。

少し時間が経つと、ファンタジーの世界からちゃんと現実に持ち帰れる素敵なプレゼントを貰えそう。幻だけでは終わらず、心の充実感も与えてくれる香りになった。

***

※一人で過ごしても心が豊かなら幸せです。このイメージは気に入っています。

ラファエロ「大公の聖母」をイメージした香水

 

raffaello01

・ラファエロ・サンティ「大公の聖母」 (1505年)

 

ラファエロ作「大公の聖母」

・2013年6月20日、香りの制作開始

2013年6月1日にラファエロ展に行き、「大公の聖母」を見ることができました。
この絵は本当に神々しさを感じる絵画でした。

そして、この絵をイメージした香りを作りたいと思いましたが、聖人の絵画の香りってどう作ったらいいんだろうと悩みまして、そのとき読んでいた本を参考にしたり、音楽の力を借りたりと、色々工夫をしてみました。

 

それでは、香りづくりのはじまりです。

 

No.841

フルーティで良い香り。好きなタイプの香りで癒される。

この絵の香りを作るのはちょっと恐れ多いかと思った。そして時間もなかったので諦めよう、また機会があったら作ろうと思っていたら風邪を引き、レッスン日が伸びたので、機会はすぐにやってきた。

日々、ネガティブな考えにのまれそうになっても、「自分」と「考え」を同一視しない、ということを意識しながら、なるべく頭の中の雑音を静かにするように努めていたら、少しずつだけど、明るく前向きな気分でいる時間が増えてきたような気がする。

新しいステージへ前向きに進んでいく機会は、本当はいつでも与えられていて、自我にのまれず意識がクリアであれば、いつでもそのチャンスをつかむことができるのではないか、と思えた。

そう思わせてくれるような、良い意味で楽観的で幸せな香り。

 

(新しい香の具ナンバー)

No.102B

聖母マリアの香り、ということで、中途半端には作れない。

ラファエロが描き出した聖母子の神秘的な美、優しさ、温かさや、絵を見たときに感じる感動と、心が静かになり、清らかになる感じなど、そういうエッセンスが香りから伝わるような作品になってほしいと思う。

人が何か感じたものを、現実の知覚できる(絵、音楽など)ものに、ありのまま、映し出せるかが芸術、アートなのかもしれないと思った。

自然の美を映し出すきれいな鏡のようでありたい。

この絵を見たときのように心が洗われるような香りができるといいなと思う。

 

(ホワイトローズ)

 

No.102A

あまりキリスト教に詳しくないので、絵を見た感想だけでは浅い香りになってしまいそうなので、音楽の力を借りることに。

「聖母マリア賛歌」というアルバムがあったので聞いてみたら美しいコーラスが光のようでイメージにぴったりだった。


けがれなき薔薇~アヴェ・マリア~聖母マリアの祈り
讃美歌の、光に溶けるようなコーラスを聞きながらこの絵を見ると、天国が見えそうな感じがする。

 

(ローズアブソリュート)

 

No.102

聖母マリアに関する歌はたくさんあるけど、そのタイトルに「バラ」がつくものが多くて、やっぱりバラはすごい花なのだと思った。

 

「汚れなきバラ」「これほど徳のあるバラはない」など。

聖母マリアは純潔で、純潔のシンボルは百合だと思っていたので驚いた。

 

・補足

聖母マリアと薔薇のシンボリズム

http://antiquesanastasia.com/religion/references/virgin_mary/the_blessed_virgin_and_the_rose/general_info.html

より引用

天使祝詞(アヴェ・マリア)の祈りに使う「ロザリオ」(英 rosary 仏 rosaire 伊西葡 rosario) の語源であるラテン語「ロサーリウム」(ROSARIUM) は、もともと「薔薇の園」「薔薇の花輪」という意味です。このことが端的に表すように、ラテン典礼のキリスト教において、薔薇は聖母マリアを象徴する花と考えられています。

 

 

数ある花の中でも、バラは特別。精油としての効果も並はずれていて(高価さも)、確かに、聖母のイメージにぴったりであると思った。花の中の花、高貴なイメージがある。

 

 (ローズ)

No.109

 

「大公の聖母」の聖母マリアの表情は、とても穏やかで、静かであるけど、深いところに潜む情熱を感じる気がする。しなやかで強い、聖なる情熱という感じ。

 

カーネーションの香りから、ふと前に香楽で香りを作ったときのイメージを思い出した。

確認してみたら、「カーネーション」は輪廻転生を意味する、とあった。十字架にかけられたキリストを見送ったマリアが流した涙から赤いカーネーションが咲いた。それは散ったキリストと、復活したキリストを意味する。そのことから輪廻と繋がるらしい。

Carnation=カーネーション(ラテン語でcarnは「肉」を意味する)肉の色の花
Reincarnation=輪廻転生(再び肉体化させること)

無意識にカーネーションを選んでいたけど、ぴったり合っていて良かった。

 

「何が起ころうと決して消えることのない情熱」というと、「真我(=ほんとうの自分)」のことだろうか。

キリストも、ブッダも、インドの聖者も、究極的には同じことを言っていると感じる。2000年以上前から真理は明らかになっているはずなのに、現代になっても大部分が自我に支配されたままという現実がちょっとさみしい。

 

(カーネーション)

 

No.501

自我、エゴの声は私たちを苦しませ、悩ませ、頭の中であることないこと言い続けて、何が真実なのか分からなくしてしまう。

自分に対してネガティブなことを言い、罪の意識をかんじさせるものはエゴの特徴だとされている。

なぜ、そういうふうにできているのかが不思議。人々はこんなに苦しむ必要はあるんだろうか?

この絵を見ていて思った。真我(キリスト)を抱く自我があるのなら、この聖母マリアのように、優しくあたたかく包むものであったらいいのに。

 

(サンダルウッド)

No.511

そんなことを思っていたら、たまたま開いた本に「師は、キリスト教の信仰に、真の意義を与えた」とあった。


ラマナ・マハルシとの対話 第1巻より引用

キリストは自我。十字架は身体。十字架にかけられた自我が消滅したときに生き残るもの、それが絶対なる存在(神)です。そしてこの栄光ある存続が復活と呼ばれるものです。

 

キリストが自我と書いてあって驚いた。

 

他のページには、自分と身体を同一視しないこと、と何度も何度も書いてある。

深い眠りにある時も意識はある。目が覚めると身体と自分の同一視が始まる。そうすると、自我にのまれてしまい、苦しみが始まる。

 

・・・とある。難しい。

 

 (伽羅)

No.007

悟りを得ている人が言う「身体と自分の同一視」はすごく不思議。

「身体と私は一緒ではない」なんて、すぐに納得できるものではないと思う。

 

アップル社のスティーブジョブズも愛読書として熟読していたという、インドのヨギ(ヨガをする人)パラマハンサ・ヨガナンダの本「あるヨギの自叙伝」がある。

この本は本当に不思議で、常識がどんどん覆される感じがする。本の中でインドに住む色々な聖者を訪ねていく。その中に、ベンガルに住む至福に浸る聖女アマンダモイ・マーに会った時の話があって、それを読むと「身体と自分を同一視していない」人の感覚が書いてあった。

 

引用

「私は、このかりそめの肉体を自分として意識したことは一度もございません。この地上に生まれる前も、同じでした。子どもの頃も、私は同じでした。成長して女になっても同じでした。このからだを生んでくれた両親がこのからだの結婚の支度をしてくれた時も、同じでした。

そして、今こうしてあなたの前にいる時も、私は同じでございます。今後、神様のおつくりになったいろいろなものが、永遠の舞台の上でダンスをしながらどんなに移り変わっていっても、私はやはり同じでございましょう。

※・・・アマンダモイ・マーは自分のことを「私」という言い方でなく、つつましそうに「このからだ」とか「この少女」とか「あなたの娘」などと間接的な言い方をした。

彼女はまた、誰のことも自分の「弟子」とは言わなかった。

個人的な意識を完全に離れて英知に浸っていた彼女は、誰にも等しく天の母の愛をもって接したのである。

 

意識の高い人は自分を小さな身体とはみなさず、その奥にある魂や生命の流れ、宇宙の意識で生きている。それを実感するのは難しいけど、そうあることができたらいいのに、と思う。

 

(ライム)

 

No.847

けがれのない、輝きある香り。「天の母の愛」は聖母マリアにも通じている。

本当に愛に満ちている感じ。清らかな香りが、見る者の心を癒してくれるイメージ。

 

「大公の聖母」の名の由来は、18世紀のトスカーナ大公であったハプスブルク家のフェルナンド3世が、この絵を大切に愛蔵し、決して自分の手元から離さなかったことからつけられた。この絵の聖母マリアも、キリストも、聖人としての輝きに包まれながら、人としてのぬくもりやこういう表情を描き出せるラファエロも、やっぱり意識の高い人だったのだと思う。そして、この絵を大事にしたフェルナンド3世も、純粋で心が清らかな人だったんだろうなと想像してしまう。

 

 (シトラスミックス)

No.115

この絵をX線調査したところ、絵の背景が黒く塗りつぶされていたと判明した。塗りつぶされたのはラファエロの死後、17世紀になってからで、それまでは別の背景が描かれていた。

 

そう説明されていたけど、別の人が塗りつぶしたにしては、聖母マリアの青い衣がきれいに闇に溶け込んでいて、ちょっと信じがたい感じがする。

 

ラファエロはこの絵を完成させることなく37歳の若さで亡くなった。

 

誰かが手を加えたにせよ、その人はきっとこの聖母子像を世に出すために、愛をもって完成させたのだと思う。500年の時を経てもなお、みずみずしく清らかで、神秘的なオーラが伝わるなんてすごいことだと思った。ラファエロが志半ばで亡くなっても、魂や生命の不思議な力が、この作品を世に出す流れを作ったのかもしれない。

 

 (バイオレット)

No.870

聖母マリアとキリストに差している後光、光の輪のイメージ。

聖なる世界意に繋がっている、神秘の光のよう。

 

普通の人が生きているチャンネルとは違う次元のイメージ。より高い周波数で振動していて、何事にもぶれない強さがある。

 

 

フローラルブーケ(アルデハイド)

No.602

そして、その周波数は、限られた聖なる人のための極秘のものではなく、誰にでもアクセスすることができる鍵が公開されていて、永遠に扉が開かれているというイメージ。

 

それに気がつき、手に取り、アクセスするかは本人の自由に委ねられている。愛ある感じ。

 

 

 アンバーグリス

No.113

優しくて、心が広くて、世界に開かれている感じ。精神が静かで動揺が少ない、安定した心のイメージ。悟りを開いている、高いキリスト意識という感じがする。

 

 菩提樹

No.862

500年経った絵画のイメージ。古いけど新しい。

時間が経つにつれ色が少しずつ褪せて、セピアがかってきていく。

でも、絵に込められたスピリットは色あせていなくて、より研ぎ澄まされている。

 

 フローラルブーケ(シプレ)

 

No.124

ラファエロ展では、大公の聖母の絵の前だけものすごく混雑していて、ゆっくり見ることはできなかったけど、色が本当にきれいでびっくりした。

 

赤が特に鮮やかで美しかった。色については、赤は神聖な愛や救済、青は天の真実や純潔を象徴している(諸説ある)。

 

聖母マリアは、赤と青の衣装で描かれるのが決まりごとになっている。

鮮やかな赤から、強さと美しさを感じる。

 

 百合

No.103

そして、青もまた美しかった。赤と青のコントラストがきれい。

青色は聖母マリアを象徴する色で、呼称にはMaris Stella(ラテン語でマリス・ステラ=海の星)というものがあった。

(聖母マリアは青と赤の衣で描かれる)

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correggio_adoration_child_1520 / ErgSap

コレッジョの聖母子像

 

また、聖母マリアは青い色と同時に、処女の象徴である白ユリ、神の慈愛を示す赤色が共に用いられることが多いと書いてあった。

 

ラファエロの使った青色は、見ていると心が落ち着いて静かになる。

清らかで神秘的。質感も豊かで本当にきれい。

 

 

 ミュゲ

No.135

何とも言えない神秘的な香り。不思議な魅力に引き込まれてしまいそう。

優美な雰囲気を持っている。ラファエロ展のパンフレットに「ルネサンスの優美(グラツィア)500年目の初来日」というコピーが書かれている。

 

「優美」という言葉が大公の聖母の絵にぴったり。この香りのイメージにもぴったり。

 

 ふじ

No.008

7月7日

シトラスだけど温かみのある香りで、心が安らぐ。とても癒されるいい匂い。

この絵のように、安心して母に抱かれているようなイメージ。体温と心音が伝わって「絶対的に守られている」という安心感がある。恐れるものは何もないという感じ。

 

実際、色々な悟り系の本を読んでいても「今、あるがままの姿で完璧」というのが覚者たちの常識のようであるし、本当にそうなんだろうな・・・と思う。

 

ただ、まだ知識として理解している感じで、よく言われる「至福の世界」を体験したことはない。けれど、大切なことは、そういう境地を「いつか辿り着きたい」と未来の目標に設定するのではなく、とにかく「今にある」訓練を地道に続けることであるらしい。

「至福の世界」である「大いなる存在=真我」へのアクセスは「今」この瞬間にしかできない、とあった。

 

 シトラスミックス

No.720

最近ブログを始めて記事を書くようになった。ここ何日かは慣れない文章にかかりっきりで、マリア様の香りづくりも中断していた。このノートだとスラスラ書けるけど、ブログという不特定多数の人の目に触れるメディアだと思うと、「きちんと書かなきゃ」と思うあまりかえって何を書いているのか分からなくなってしまうのが辛いところだと思った。今後は見たイメージをいかに「伝える」かにかかってくると思うので、良い文章が書けるように日々練習していきたい。

 

この香りを作り始めてから、「大公の聖母」の絵が印刷されたパンフレットをベッドから見える場所に飾っている。

この香り制作を一週間以上ほったらかしにしていて、若干焦りと、申し訳なさを感じたときがあった。

 

目が覚めて聖母の絵と目が合うと、いつもと変わらず優しく微笑まれていて、じっと見ていると「早く続きをやらなきゃ」という気持ちも消えて、頭の中が静かになった。

それは静寂の愛であり、あたたかく、それでいて甘美な情熱で包み込んでくれる偉大さを感じた。

 

  バニラ

No.101

この絵のキリストは、幼子でありながら知性溢れる瞳をしていて、その瞳にはこちらの心の奥の見えない場所まで見透かされてしまいそうな鋭さがある。

 

けれど、聖母マリアの優しい瞳とあいまって、すべてを溶かしてくれそうな感じもある。

何があっても否定や批判をされない、絶対的な安心感がある。

 

ルカ福音書23章32-49節

イエスの言葉「神よ彼らをお許しください。彼らは自分が何をしているのか知らないのです」

※この言葉の「彼ら」とは、イエスを十字架にはりつけた人々のこと

 

これは、無常な人間に神の許しを与えるという感じではなく、そういうことをしてしまう「彼ら」の心の奥にある「真我」を見ているからこその、愛の言葉なのだと思う。

 

 ジャスミン

 

No.601

そのような広い心。木を見るのではなく森を見ている。地球を見るのではなく宇宙を見るような、とにかく果てしなく広く、温かく愛のある状態でいられたら、この世は本用に楽園として迎え入れてくれるだろうと思った。

 

 ムスク

香りの処方

ふじの香りが幻想的で、この絵とマッチしていたので135を基調として香りを組み立てました。008の「母のぬくもり」も感じられるようにしています。

百合は、個性が強いので少しにしました。

・・・・・・・

自評

優しくて神秘的な香り。スッと清らかな世界へ連れていってくれるような、透明な感じと、何とも言えない優美さを持っている香り。

本当に天界の美しさを見ているみたい。

 

この香りを作っている時、心があんまり清らかじゃなくて、悩みが多く自我でいっぱいな感じがしていたので、きれいな香りにならなかったらどうしようと心配だったけど、No.720のイメージにもあったように聖母のまなざしが優しく温かかったので、この絵の清らかさがこの良い香りを引き出してくれたんだなぁとありがたく思えた。

 

やっぱり、生まれながらに100%清らかで人生悩みなしだったら、こんなに考えることもないだろうから、悩み苦しみを受け入れ、その過程を経てから「真我」という生命の源を理解できるようになるのかもしれない。

 

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今回このサイトに載せるために、ノートから出来のいい香りをピックアップしてどんどんデータに起こしてアップしていこうと思って、たまたまチョイスした香りでした。

 

7月当時は無料ブログをはじめた頃だと思うのですが‘(今はこちらに移りました)、データ入力をしていて、ここ最近とまったく同じ悩みと解決を経験していたと気がつき、愕然としました(笑)

 

でもこの当時はノートに書いた字はさほど乱れてなくて、今思えばたいしたことない悩みだったなと思えます。それに引きかえ11月の心の荒れようは相当なものでしたので、レベルの違う学びがありました。

 

人間って、同じところをぐるぐる回りながら、少しずつらせん状に上昇していくものなのかなぁと、ノートを振り返りながら思ったのでした。

・・・・・・・・・・

101番で感じたイメージの「何があっても否定や批判をされない、絶対的な安心感」というのは山下先生の香楽の教え方そのものだと思いました。私が7年もの間、安心して香りを作り続けてこられたのは、山下先生の「指導しない指導」のお蔭です。

 

 

制作年月

2013年6~7月

制作No.262

 

 

春の桜、和の色をイメージした香水「いろはにほへと」

iroha
前回の「トリプルセラピー」では、完全にストレス解消のための香りづくりになってしまったため、このままでは先生にノートをお見せできない・・・と思い、この月(2013年11月)は2本目をつくることにしました。

そしてこの回では、香楽をやってて時々ある「香りが良い方向へ連れていってくれる」感覚がありました。
最初から「いろはにほへとというテーマで作ろう」とした香りではなく、どこへ辿り着くかお任せの自由な香楽でした。

香楽がもたらしてくれる変化の面白さをお楽しみください。

 

No.854

前回のは自分を癒すため、そしてストレス解消のために雑に作ってしまったので、今回はもっとちゃんと香りを作りたいと思った。

せっかくの良い香りをもっともっと美しく咲かせてあげたい。

最近は、インターネットで外向きに「良いもの」を書こうとしてしまっていることに気がついた。
ただ本当の私であればいいと香りから教わっていたのに、それを忘れていたから迷ったりストレスになったりしてしまっていた。

自分以上のものに無理やり「なろう」とすると、自分が辛くなるだけなのだと分かった。

 

No.134

今は冬だけど、なぜか桜の香りが使いたくてしょうがなかった。No.854の香りに合いそうだというのもあるけど、なぜか”今”桜に惹かれる。

・・・と思っていたら、たまたま見たテレビドラマで、桜が満開に咲く場所のベンチで語りあっているシーンが出てきたので、やっぱり桜を使って香りをもう一本作ろうと思えた。

偶然の一致や香楽の勘が戻ってきたようで嬉しい。

・・・・・・

桜の香りは、夢があって可愛くて、優しくて癒される・・・。
心の冬を超えて春が来たような感じがする。

 

No.005

ゆずの香り。とっても良い香りで、すご~く癒される。少し苦味のある柚子ピール(皮)の香りもいいけど、今はこちらの温かみがあって優しくて甘い柚子の香りが良い。

ちょうど最近柚子を頂いて、お鍋の香り付けに果汁を入れたら、さわやかな香りが立ってすごく美味しくなった。
風を引いたときには、蜂蜜をお湯で割って柚子の果汁をたっぷり搾ったものを飲んだら元気になりそう。

 

No.003

オレンジの香り。太陽のように温かい香りで、この香りにも癒される。

香の具の香りは本当に優しくて、使う人に無理をさせないというか、自分が自分であることを助けてくれる感じがするので好き。
香りが「ありのままのあなたでいい」って言ってくれるようで嬉しい。ほっとして安らぐ。香りのこういう世界が好き。

 

No.102

良い香りに癒されるのは、脳にセロトニンというホルモンが分泌されるから。リラックスして幸福感が増す。

バラの花を見るだけでも美しさに癒されるのに、香り成分にさらに癒しの効果があるなんてすごいと思う。
香りの良さを知ることができて本当に良かった。

 

No.402

今回の香りでフルーティの香りを使おうと思って、いつものように大好きなカシスの香りを使おうとしたけれど、いつも同じ感じの好みの組み合わせにしてしまうとつまらないので、今回は、もうひとつのフルーティの香りの候補だったピーチを使うことにした。

カシスは、深みのある濃い赤紫色のイメージだけど、ピーチは、可愛らしいピンク色のイメージがある。

(カシス色■■■■ ピーチ色■■■■

香りと色って、イメージが結び付きやすい。それは、花や果実の色のイメージと実際の香りとの関連が、脳にしっかりと焼き付いているからなのか。

そういえば、「いろは歌」の「いろはにほへと、ちりぬるを・・・」ってどういう意味なんだろう?と思い出した。
確か漢字では「色は匂へど」と書いたような。「色が匂う」とは・・・。

・・・・・・・・・

調べてみると、

「いろは歌」は『涅槃経』の中の無常偈(むじょうげ)「諸行無常、是生滅法、生滅滅已、寂滅為楽」の意訳であるあった。

 

「いろはにほへと ちりぬるを」は、

「色は匂へど 散りぬるを」と書き、

香りよく色美しく咲き誇っている花も、やがては散ってしまう。(諸行無常)

という意味だった。

 

No.104

リラの香りも美しい香り。強くて鮮やかな華がある。精神的な豊かさを感じる。

ゆったりとして、自分の時間を取り戻せる感じ。リラ(ライラック)は西洋の花だけれど、今日はなんとなく「和」を感じる。華やかでよい香りのお香のよう。平安時代の十二単の鮮やかな色の着物を重ねているようなイメージ。

 

いろは歌の2段目は、

わかよたれそ つねならむ
    ↓
我が世誰そ 常ならむ

意味:この世に生きる私たちとて、いつまでも生き続けられるものではない。(是生滅法)

 

なんだかとても深い意味・・・。

 

No.601

ういのおくやま けふこえて
    ↓
有為の奥山 今日越えて

意味:この無常の、有為転変の迷いの奥山を、今乗り越えて。(生滅滅已)

※有為転変→世の中の全てのものが絶えず変化して、しばらくの間も同じ状態にとどまることがないこと。

 

いろは歌には、思ってた以上に深い意味があってドキドキした。
今、意味を知るべき詩のような気がする。

ただ、平仮名と音のみで「ういのおくやまけふこえて」と読んでも、なんとなく「山を今日越えたのかな?」くらいにしか思えないけど、「有為転変の迷いの奥山を、今乗り越えて」と言われると、今の私にぴったりすぎる気がしてきた。

前回の「トリプルセラピー」を作っていたときは、本当に「迷いの奥山」の中にいたような感じがする。

でも、そこを通って迷ったり不安になったりしたことさえ、全部が生きている私の体験で、決して無駄なわけではない。

よく、「迷っている時間は無駄」だと言われるけど、迷いながら進んだ時も悪いことでは無いと思った。

今、生きていて体験していることで、無駄なことなんかない。
必ず意味があるから感じているんだと思う。

 

No.602

一見、脱線しているようでも、無駄な時を過ごしたと思っても、そこから何かを学べば無駄ではない。

もしかしたら、もっと究極に高い視点から見れば、何も学べなかったとしても、その体験さえ無駄ではないのかもしれない。

全てを大きく受け止められるほどに、楽に、楽しく生きられるような気がする。

 

いろは歌の最後の段

あさきゆめみし えひもせす
    ↓
浅き夢見し 酔ひもせず

意味:悟りの世界に至れば、もはや儚い夢を見ることもなく、現象の仮想の世界に酔いしれることもなく、ただ安らかな心境である。(寂滅為楽)

 

・・・すごすぎて、言葉が出てこない。

いつものように、好きなNo.414の香りを使っていたら、No.402を選んでいなかったら、いろは歌には繋がらなかっただろうし、ここまで来ることはできなかった。

カシスとピーチの違いから、「色と匂い」についての疑問が湧いてきて本当に良かったと思う。

 

No.702

前回の香楽では、迷いの中にいた。

迷いたいときには迷わせてくれて、良い香りでストレス解消してくれて、「悟りの方向へ戻りたい」と思ったら、香りがちゃんとここまで連れて来てくれて嬉しい。香りって本当に不思議な力があると改めて思った。

そういえば、昨日たまたま読んだ文章に、こんなのがあった。

人は求め、そしてそれが究極的には手に入らないということを通して人は悟るのです。
あなたという自我が求めたものは、永遠に手に入れることはできません。
しかし、求めなかった人が悟ることもないのです。

津留晃一さんのメッセージ集「変化」より抜粋)

 

以前に読んだときはさらっと読み流してしまった場所だったけれど、今回の心境にあっていたのか「求めなかった人が悟ることもない」という言葉がやけに深く響いた。

ちょっと前までは「より良い文章が発信できる自分」に一生懸命「なろう」としてしまっていたけど、頑張るほど理想の自分は手に入らずイライラして心がすさんでいった感じがした。

そして、やっぱり何かが違うと思って、香りに触れて心が落ち着いたら、ちゃんと大切なものが再確認できた。

だから、やっぱり迷いもイライラも無駄ではなかったと心底思えた。

 

・・・・・・・・・・・

今回は、とても深い学びのあった回でした。

香りといろは歌が私の心を良い方向へ引っぱって行ってくれた感じがしたので、香りの名前はそのまま「いろはにほへと」としました。

この香りは、和を感じて、心が和む、ほっとする良い香りとなってくれました。
つけたところ周りの人の評判も上々でした!

迷った時、この香りを付けたなら、早めに抜け出して戻ってこれるか、もっと深い学びを得られるのではないかと思いました。

これこそ私の「治療香水」となってくれた香りです。

 

 

制作年月

2013年11月(2/2本目)

制作No.265

 

山下先生からの評価:☆12個
(先生は生徒のノートに手を加えることはしないのですが、私がお願いして金のシールを貼って貰っています。)

・・・・・・・

香りのイメージへの感想やリクエストは「お問合せ」からどうぞ!

 

トリプルセラピー

オリジナル香水の商品化が決まり、ホームページを作成するためHTMLやWordpressを勉強したり、文章力を鍛えなければと試行錯誤しました。

しかし、

あまりにも分からないことだらけで、頭がパンクしそうになってきたので、
香楽での香りづくりに救いを求めました・・・。

やっぱり、自分の心がすさんでいては、
香楽の良さを伝えることは難しいと思いました。

でも、すさんでいる時ほど香りの癒しを感じやすいのも事実です。

では香りづくりのスタートです。

No.854

やわらかい香り。優しい木の香りとフローラル。今流行りのクロエの香水みたい。
ブランド香水レビューのブログを始めて、市販の香りの良さを学んでいる。

クロエの香水は「自分で自分を癒すことができる、自立した女性」という感じがした。
ふわふわのセーターを着た女性のイメージが浮かんだのでブログで書いたら、クロエの香水のCMでセーターを着た女性が出てきたりして、「香りのイメージって本当に伝わるんだ!」と感動した。

感想をブログで書くのは少し怖いけど、香楽と同じで答えを見ずにまず自分の心に聞いてみることが大切なのだと感じた。
そうすると、意外とちゃんと製作者のイメージを受けとれていることに気がつく。

香りって不思議。

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シダーウッドなのか、木の香りは甘くてほろ苦で、ミルキーな感じもあり、とっても魅力的。
優しい木の香りに癒される・・・。

 

(新しい香の具ナンバー)

 

No.109

No.854のように癒しを感じる香り。温かさと甘さとスパイシーさを持っている。

いいなぁ、やっぱり良い香りって癒されるな~って思う。

最近はパソコンばかりで慣れないことや分からないことばっかりだったし、文章は上手に書けないしで、煮詰まり気味だった。

もっと早く香りをやればよかった!

 

(カーネーション)

 

No.511

日本人が本来持っている良さを取り戻す感じ。

今は「おもてなし」が流行っているけど、なんでもかんでも手厚くもてなしまくるのが「おもてなし」じゃないような気がする。
「おもてなし」は、お客さんに分からないようにさり気なくするものだと思う。

媚びへつらわなくてもいいから、日本人の誇りや粋な精神を取り戻してほしい。

最近は余裕がなくて、小さなことにも腹を立ててしまうので、反省・・・。

香りの世界から「悟り」の方向へと向かっていたはずだったのに、今の心の荒れ模様はどうしたことだろう。
あの頃の精神の豊かさ、心のゆとりがどっかに行ってしまった!

・・・と、伽羅の香りのおかげで気がつくことができたので、大丈夫だろうか・・・?
香りってホントにいいな、と思う。これがない生活は考えられない。

 

(伽羅)

 

No.101

強い意志はあるのだけど、ふわふわした霧の中にいるようで、手探りで行く道を広げている感じ。

今までは富士山の5合目までで満足していたのが、その先を目指して一歩踏み出してしまった感じがする。
でも、登ることが楽しくて、先が見えないのに止まれない。

いつか霧が晴れたとき、今まで知らなかった美しい世界が見えたらいいな、と思う。
登ったと思っていて実は降りていた(遭難していた)ら、大変。

 

(ジャスミン)

 

No.124

新しいことをたくさん覚えなければいけないので、頭がフル回転しているのか、意外と良いアイディアがいっぱい閃いたりして、いろんなことを一気にやりたくなってしまって困る。

全部、形にできたらいいのに、全然追いつかない。

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この香りは、見たことのない輝きを持つ宝石みたいな、ユニークで個性的な良い香り。

 

(百合)

 

No.416

この香りも可愛くて個性的。ココナッツとベリーの美味しそうな香りで、癒される。

「可愛らしさ」は大切なことなのに、最近忘れていた気がする。この香りでいっぱい吸収したい。

そして、楽しさに満ちている香り。

良い香りって、いつも前向きで、明るい方向へ引っぱって行ってくれるから好き。
うっかりすると、ネガティブな気分に埋もれていったりするので、香りからエネルギーをたくさんもらって、方向修正をしたい。

 

(ココナッツベリーミックス)

No.106

ただ香りと香楽の良さを伝えたいだけなのに、パソコンで外の世界へ向けての文章を書こうとすると、難しく思えてしまって手が止まってしまう。それがつづくと自信がなくなってきてしまう。

それに引きかえ、香りがあるとスラスラと言葉がでてきてノートに書くことができるのが不思議。
これからは香りの力を借りよう。

結局、伝えたいのは「香りをつかって、癒されて、輝いてほしい」ということだけなのだから。

 

(ゼラニウム)

No.102A

香りで癒されて元気になった。その良さを伝えたいだけなのに、なかなか上手に文章で表現できず、イライラしてきて、結局自分が癒されていなかった。こんな状態ではどんな文章を書いても説得力がないから、まず自分が癒されなくては。

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世の中には、ライティングセラピーというものがあるらしい。

書くことで癒されるという療法で、日々たまってしまった感情を紙に書いていくことで上手に吐き出し、癒されてスッキリするというもの。

ネガティブなことや悪口でも構わないので、心にあるものをどんどん書いていく。

日々日記をつける習慣のある人は、自然と感情のガス抜きができているため、精神疾患などにかかりづらいという統計もあるらしい。

でも、愚痴を書きなぐったその紙は、誰かに見られないようにそっと処分しなくては。
万が一、悪口を書いた本人に見られでもしたら大変だ。

 

(ローズアブソリュート)

 

No.007

その点、香楽は好きなイメージを自由に書いているうちに自然と癒されているから、すごいと思う。

そして香りの作品をつくったノートも、人に見せられる。香の具の良い香りたちが、ネガティブになりすぎるのを防いでくれるのかもしれない。

香楽は、

・アートセラピー(イメージ)

・ライティングセラピー(書く)

・アロマセラピー(香り)

の、3つのセラピーを同時に受けている感じがする。しかも、自分ひとりでできるからすごい。

 

(ライム)

No.002

パソコンの前にいるときは、悩んでできなくてしょうがなかったのに、香りがあるだけで、ほんの20分位でノート1ページ半ほど書けていた。どうしてこんなに違うんだろう?パソコンの前でも香りを視るといいのかな。

 

(ベルガモット)

 

No.601

今回は、心が迷いに迷っているので、どんな迷った感じになるのか、怖いような楽しみなような。

こんなことまで楽しみにできるのが、香楽の良いところだと思う。他ではあり得ない感覚。

 

(ムスク)

 

香りの名前

トリプルセラピー

香楽は「3つのセラピーを同時に受けている」ことに気がつくことができた。

 

こうして香りができました。

この回は、本当にストレスを解消するための香りづくりで、処方を決めるにも悩んでしまって「決まった」感がありませんでした。
でも、ストレス満載だったからこそ、香りの良さを再確認することができました。

調合した直後は、ふわ~っと霧に包まれるような迷いの香りに思えたけれど、少し時間が経って熟成されてくると、味のある良い香りになってくれました。でも、この香りはよそには出せません(笑)

 

制作年月

2013年11月(1/2本目)

制作No.267

 

山下先生からの評価:☆10個
(先生は生徒のノートに手を加えることはしないのですが、私がお願いして金のシールを貼って貰っています。)

 

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「ジャンヌサマリーの肖像」をイメージした香水

ルノワール作「ジャンヌ・サマリーの肖像」

2013年7月、ロシアのプーシキン美術館から横浜美術館へ、ルノワールの傑作である「ジャンヌ・サマリーの肖像」が来日しました。

ピンク色に包まれた、夢見るような女性のまなざしが印象的で、こちらまで幸せなオーラを届けてくれるような、素晴らしい絵画でした。

 

この幸せな微笑みを、香りで表現することができたら…。

そう願って、香りづくりを開始しました。

PortraitofJS2

Portrait of Jeanne Samary Pierre-Auguste Renoir 1877  oil on canvas

 

 

フルーティ・フローラルの香りに包まれて

No.827 Fruity floral

可愛らしくて華やかなフルーティの香りと、石鹸のような清潔感もあり、まろやかで幸せな雰囲気に包まれる。

ルノワールの描く絵は、すべて優しい感じが出ているけど、この絵は特に優しく、充実した精神を感じる。明るいピンクの背景が、モデルのジャンヌ・サマリーという女優の輝きを、あますところなく表現している。

ルノワールとジャンヌ・サマリーは、数年間は恋人同士だったという説もある。とてもロマンティックで、幸せがあふれている。恋愛初期のキラキラした輝かしい恋のよう。

 

 

女心と、ピンクの濃淡

No.109 Carnation

女の子がドレスを着たり、おしゃれをしたりして褒められると、嬉しくてピンク色の気分になってしまう。何種類の色彩が重なって、豊かなピンクが表現されている。

ストロベリーブロンドの軽やかな髪が、可愛らしさと気品を表現している。

背景に花を散りばめるより、もっと華やかなピンク色。見ているとこちらもつられて笑顔になってしまうような、幸せなオーラに包まれている。

 

夢の世界を生きるひと

No.414 Cassis

カシスの香りは、いつも新鮮な可愛らしさと、ちょっと大人な色合いと落ちつきを兼ね備えた、夢のようないい匂い。

ひとつの夢があって、その中にたくさんのときめくものがつまっている、誰にも邪魔されない世界のイメージ。大人になると、現実を見るようになって消えていく、デリケートな子どもの描く夢。

 

ルノワールは、若いころに絵の師から「君は自分の楽しみのために絵を描いているようだね」と言われ、「楽しくなかったら絵なんか描きませんよ」と答えたという。78歳で亡くなるまで4000点にも及ぶ作品を描き続けた。

 

人は楽しいことをしているときが一番輝いている。

人によって楽しいことはさまざま。絵を描くことが好きな人と、演じることが好きな人。料理が好きな人もいれば、掃除が大好きな人もいる。政治や法律が好きな人もいる。すべての人が、大好きなことをして世の中が回るようになったら、どんな世界になるだろう?

 

20歳のジャンヌ・サマリーがもつ魅力

No.***

優しく輝く光のような存在。

一緒にいると心が明るくなるような、若さと希望に満ちた、力強いまなざし。

この絵が描かれた当時、20歳のジャンヌ・サマリーは、Comedie-Francaiseという劇団の人気女優だった。

彼女の持ち味である、ピンクで、陽気なイメージは自分では気に入っておらず、同じ劇団のトップ女優であったサラ・ベルナールのような、しっとりとした大人の女優像に憧れを抱いていた。きっと、より素晴らしい女優へと成長する夢を描いていたはずで、その夢が、いきいきとした輝きとなって、彼女を包んでいたのかもしれない。

本人の理想と、周囲から見たその人の魅力やイメージはギャップがあることが多い。

ルノワールは、ピンクを基調にしながらも、彼女を洗練された女性として描いた。

明るさと、上品だけれど堅苦しくない、リラックスした微笑みが本当にきれい。

 

愛あるローズ、バラ色の頬とくちびる

No.102 Rose

愛と夢に満ちている香り。彼女のバラ色の頬と、くちびるがとても愛らしい。

女性が一番輝いている瞬間を切り取られた絵画には魂が込められていて、画家の女神(ミューズ)は永遠の微笑みをたたえている。

女優・ジャンヌ・サマリーをモデルとして、恋人として、そして兄や父のような、温かく見守るまなざしも感じる。

女性は描かれることで輝きを増し、画家はモデルからインスピレーションを受けてよりよい絵を描く。良い協力関係ができている。

柔らかなピンクのバラが放つ、永遠の芳香のような美しさがそこにある。

 

夢のようなグリーンのドレス

No.***

柔らかい素材のグリーンのドレス。夢のような甘い香り。

この絵のドレスは可愛らしくて華やか。ドレスの色彩がピンクを際立て、白い肌をきれいに見せて、全体のカラーを引き締めている。

花と葉の色の対比のように、お互いを引き立てあっている。

 

ロシアの秘宝、2年越しの来日

No.107 Gardenia

ジャンヌ・サマリーは、この絵が描かれた3年後に、裕福な男性と結婚する。

やがて3人の子供に恵まれるが、幸せな結婚生活も長くは続かず、10年後、腸チフスにかかり、33歳の若さで亡くなった。

その後、ジャンヌの夫の元から画商の手に渡ったこの絵は、絵画コレクターであるモロゾフの目に留まり、ロシアに渡る。

 

ロシアは、「秘密の国」というイメージがある。

今回、プーシキン美術館展が開催されなければ、この絵のことは知らないままだったかもしれない。本来は、2年前の震災の年に開催される予定だったそうで、この絵のキャッチコピーは「やっと逢えたね」だった。

 

ロシアから海を越えて、日本へやってきてくれた、幸せな絵画。

素敵な出会いに感謝したい。

 

印象派の光と色と、美の視点

No.***

印象派は、イメージや光を捉えて、キャンバスに鮮やかに描き出す。

タッチは荒くても、少し離れてみたときに、さまざまな色彩が美しく調和して見える。

 

万物があらわす現象のなかに、美が存在している。

一見なめらかな肌でも、顕微鏡で拡大すれば、皮膚を守る菌と雑菌との戦いが繰り広げられている。地球を宇宙から覗いてみれば、戦争をしている場所と平和な場所がある。

 

どこに焦点を当てるかで、芸術作品はまったく違ったものとなる。

 

美しいものを、美しく描き出す芸術。

ルノワールの絵には、美と、優しさがにじみ出ている。

 

永遠を生きる、心の鏡

No.602 Ambergris

たったの33年間という、ジャンヌ・サマリーの短い人生。

その最も輝いた瞬間をルノワールが描いたことで、130年を超える時を経た今もなお、世界中から称賛され、輝き続けている。

 

うるんだ青い瞳が、時空を飛び越えて、何かを訴えかけてくる。

サマリーがルノワールを、ルノワールがサマリーを見ている。

ふたりの瞳の間で描き残された絵画は、鏡のようになって見る人の心に映るのかもしれない。

この絵を見て、幸せを感じる人、どこか悲しみを感じる人。

いろいろな心を映し出す、生きている表情がある。

 

ふたりの間に漂う、フラットな愛情

No.117 Narcissus

やわらかな白い肌。

アクセサリーは少しだけしか必要ない。シンプルで飾らず、リラックスした印象。

サマリーは、ルノワールのことをどう思っていたのだろう。

「ルノワールは、結婚に向く人ではありません」

「彼は、彼が描くすべての女性と結婚するわ。ただし、絵筆と一緒にね!」

彼女は、そんな言葉を残している。

お互いに相手の才能に魅力を感じた二人だったのかもしれない。

そこに燃え盛る情はなく、フラットな協力関係がある。

 

「美」を切りとる、画家のまなざし

No.601 Musk

ルノワールは、コメディ・フランセーズ自体は好きではなかったが、モデルのジャンヌに会いたくて、アトリエから200mほど離れた彼女の自宅に足しげく通った。

しかし、彼女に惚れ込んではいても、恋に浮かされて完全に骨抜きになってはいない。幸せな絵の中に、画家の冷静なまなざしがある。

 

美しい花が咲き、その甘美な香りに引き付けられた蝶のように、ジャンヌ・サマリーという存在が放つ美を感じ、画家として、その美を芸術としてキャンバスに写しこむ。

そこに、大きな愛がある。美しく咲くミューズへの、称賛と感謝を添えて。

 

アールグレイの紅茶を飲みながら・・・

No.002 Bergamot

 画家の冷静なまなざしから、計算しつくされた色彩美。

けれど、この絵に堅苦しさはない。複雑な絵画の理論も必要ない。

ただ素直に「可愛い」、「幸せそう」と言える、良い気楽さがある。

 

ベルガモットが香るアールグレイの紅茶を飲みながら、リラックスして過ごすひと時に、この絵が存在していたら、とっても優雅で満ち足りた、幸せな空間になるに違いない。

 

こうして香りができました。

この絵の特徴は、なんといっても素敵なピンク
そして、夢見るような微笑みと、差し色のグリーンのドレスだと思います。

香りと色彩を意識しました。

実際に絵を見てこの絵に惹かれ、ジャンヌサマリーとルノワールのことを調べながらかなり感情移入してつくったので、なかなかいいものができたと思います。

その世界に入れば入るほど、香りになって答えてくれるところが香楽のいいところです。

山下先生も横浜美術館にこの絵を見に行ったようで、「本当に、こんな感じのイメージだった!」と言っていただけました。

いつもドキドキしながらお見せするのですが、こうして喜んでいただけるのがとっても幸せな瞬間です。

 

 

制作年月

2013年9月

制作No.265