香りは不思議なパワーを秘めています。
香りや匂いそのものは、必要以上に強いものでなければ、視覚や聴覚以上にインパクトのある感覚ではありません。
あいまいでつかみどころがなく、言葉で説明するのも難しい。
けれど、香りは無意識の世界や本能的な情動と密接につながっていて、その影響は大きいです。
昔は、神とつながるために香りを使った
太古の昔から人は神と繋がるために必ず香りを用いていました。
これは、どの国でも同じです。古代エジプト(香油でミイラを作る、香をたく)でも、キリスト教(福音香)でも、仏教(線香)でも、イスラム教(魂は麝香の香り)でも、香りは重要視されています。
香りは心をクリアにし、神秘の世界との橋渡しをしてくれたのです。
私も、香楽で7年間香りと向き合ってきて、気づいたことがあります。
それは、香りと向き合っている間は、雑念が消えるというものです。(山下文江先生もその通りと仰っていました。)
香りで、雑念が消える?
普段の生活では、常に雑念にまみれています。
今の心配事やささいなこと、ふいに聞いた音楽が回っていたり、誰かに言われた言葉を無意識のうちに思い出していたり・・・
無意識に考え続けてしまいます。
特に、現代社会はありとあらゆる情報の洪水にのまれています。
雑念を消すのは、至難のワザです。
そのしつこい雑念を消すためには、瞑想や座禅が良いと言われています。
何も考えず、心を「空」の状態にすることで、さまざまな苦痛から解放されるそうなのです。
瞑想は、難しい・・・
実は、私も一時期読んだ本すべてに「瞑想をすると良い」と書かれていたので、挑戦してみたことがありました。
・・・静かに座って心を静めます。
しかし。
雑念は次々と湧いてきて、頭の中は一向に静かになりませんでした。
瞑想は、難しい・・・。
いつしか続かなくなり、結局3日坊主でやめてしまいました。
集中できない1時間より、集中する1秒
香りに雑念を消す効果があることに気がついてからは、これって瞑想と同じだなと思うようになりました。
そこで、私が考えた、世界で一番簡単で、かつ心がリフレッシュするとっておきの瞑想法をお教えしますね。
その名も
「香り、3秒瞑想法!」
やり方は超簡単です。
香水を使ったり、アロマの精油をかいだり、何か良い香りがしたときに、その香りにたったの3秒だけ、集中して香りを堪能するのです。
以上です。たったこれだけ。
心地良い香りなら何でもOK
良い香りというのは、花の香り、木の香り、草の香り、果実の香りはもちろん、好きな人の匂いや大好きなペットの匂いでも構いません。
人は、普段はなかなか「ほんのり香る匂い」に気がつきにくいものです。
考え事をしているときは特に嗅覚はおろそかになっています。
匂いに気がついても、匂いに関連した記憶からくる考え事がまたすぐに始まってしまうものです。
例えば、
花の香りがした時、
「あ、良い匂い!そういえば昔・・・(匂いと繋がる記憶がよみがえって思い出に浸る)」
帰り道によその家からカレーの匂いがした時、
「あ~良い匂い!今日のうちのご飯は何かな・・・」
という感じです。
ですから、たった3秒と思うかもしれませんが、その3秒はなかなか集中していないとできないものなのです。
心地よい香りに出会ったら、3秒間、その香りに身も心も完全に委ねてしまいましょう。その3秒間は、完璧な瞑想の時間となります。
過去への後悔や未来への心配ではなく、たった3秒間だけ、今この瞬間のためだけにすべてをささげるのです。
その時、心は解放され、「あるがままでOK」という状態に「在る」ことができます。
それは宇宙と繋がり、「あなた自身」と繋がる3秒間です。
香りを心で捕まえる気持ちで集中しましょう。
でないと、香りはすぐにスルリと逃げてしまいます。
良い香りに気づいた瞬間、そのたびに3秒瞑想を試してみてくださいね。
香りを深く心に入れて、幸せな人生を生きましょう。