今回は、フロリエンタル。
(フロリエンタルとは、フローラルの華やかさに、オリエンタルな重厚感を融合させた、荘厳な香り)
アジアの精神と美を感じる香りがテーマです。
香楽で作った香りのデッサン
香楽について知りたい方は、こちら→香楽とは
では、香りの制作ノートをご紹介いたします。
香りの名前
Oriental
オリエンタル(東洋風)
香調
フロリエンタル
香りのテーマ
アジアの精神と美を感じる香り
香りの制作について
制作No.120
20010年1月12日
香の具®使用本数 8本
※香楽を学んでいる方の自由なイメージの妨げにならないように、香の具®ナンバーは伏せ、香りを視た順番で表記しています。
1番目の香りのイメージ
アジア系の雑貨屋さんの香り。
お香や伽羅の香木のような、渋くて精神的な感じもあり、現代的なポップさも感じる。
バリなどの、アジアの地域で生まれ、小さな頃から伝統芸能に馴染んで育ったけれど、現代的なファッションや音楽を好む若い子たちのようなイメージ。
2番目の香りのイメージ
とすると、トップノートは、苦味と甘みとさわやかさが融合しているベルガモットの香りが合いそう。
アジアの湿度と、太陽、湿った土や木々がたくさんあって、あまり整備されていない、自然な感じがある。
飾らない、自然な心や言葉。
無理のない気持ち。
3番目の香りのイメージ
とすると、フローラルはリラの香りが似合いそう。
独特の個性があるけど、それを隠すことなく自然体で、キレイすぎない。
アジアの雑然とした感じ、そして精神的な世界(古い寺院など)に良く似合う香り。
雨の降る森の中、手に鈴か何かを持って、雨にまつわる舞を踊っているようなイメージ。
足ははだしで、湿った土で汚れてしまうけど、それさえも芸術的に見える。
4番目の香りのイメージ
真っ白でちょっと肉厚な花びらを持つ花が、たくさん咲き誇ってあたり一面に良い香りが広がっている。
花びらには水滴がついていて、みずみずしく新鮮でとても美しい。
5番目の香りのイメージ
今まで選んだ香りだと少し寂しい気がするので、甘みを足したい。
バニラの香りはやわらかく単品だと西洋的な感じだけど、お香のような香りと合わさると、途端にアジアのすてきな景色になる。
和風の自然な甘さというより、もっとコッテリと強い甘み。
6番目の香りのイメージ
お香と聞いて真っ先に浮かぶのが伽羅の香り。
精神が落ち着くと同時に覚醒して、意識がはっきりと鮮やかになって、今まで見えなかったものが見えてきそうな感じ。
7番目の香りのイメージ
ムスクの原料となるジャコウジカもアジアの生き物なので、合いそう。
もののけ姫のような世界の森の中で、不思議な香りをまとった鹿がいて、神秘を感じる。
8番目の香りのイメージ
アジアは海からの恵みもたくさんある。
海に対する畏敬の念もたくさん持っていそう。
マッコウクジラから得られる香料アンバーグリスもとても神秘的。
クジラそのものが神様のように思われたりもしてそう。
食べたりもしただろうけど、東洋的な考えだと、あらゆるものすべてが神様ということもある。
そんな奥深い考えを表す、深みのある香り。
アジアの雑然としたイメージから始まって、ありとあらゆるもの全てがそこにある感じがする。
そのあと、物質的なものと、ありとあらゆる心の世界、精神的なものが溶けて一つになって融合し、そのあとまた新たなものが生まれてくるような不思議なイメージ。
一瞬、まさに東洋的という香りがしたけど、1番目の香りのおかげかそんなにコテコテではなく、可愛い感じも混ざっている。
今まで作った香りとは少し違うイメージだけど、神秘的でとても良い香り。
イメージどおり、ありとあらゆる物や心が渾然としている感じ。
色々なものが混じり合い、一見雑然として見えるけど、他にはない東洋の美しさがある素敵な香りになった。
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※オリエンタル調の香りは結構好きです。
オリエンタルの香りは独特の甘みがあるので、好き嫌いが分かれる香りであるとか。
東洋の神秘、精神性の深さとか、すごく惹かれる要素です(^-^)