香りの基礎知識 香水の基礎

3分で分かる「香水の歴史」

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アルコールの製造法がヨーロッパに伝わり、精油をアルコールに溶かした香水が作られるようになりました。

香水の歴史を刻む、有名な香水をご紹介します。

ハンガリーウォーター(ハンガリー王妃の水)

ハンガリーウォーターは、14世紀にハンガリー王室で使用されたローズマリー水です。

王妃エリザベートの手足のしびれを治すための薬として、修道士や錬金術師の手によって作られました。

<ハンガリー王妃の若返りの水の物語>

ハンガリーウォーターを使用した王妃は、手足のしびれが治っただけでなく、みるみるうちに美しく若返りました。その美しさは72歳という年齢を感じさせませんでした。

そして、ある日ハンガリーと友好関係にあったポーランドから国王と王子がやってきました。王妃の美しさにひとめぼれしてしまった若きポーランド王子は、王妃エリザベートに求婚しました。そしてハンガリーとポーランドは一つの国になったのです。

<現代的な香水としてのハンガリーウォーターの材料>

・レモンピールかオレンジピール
・オレンジフラワーウォーター(芳香蒸留水)
・レモン精油
・ベルガモット精油
・ローズマリー精油
・細かくしたペパーミントの葉
・グリセリン
・ウォッカ

私、このハンガリーウォーターの香りが大好きで、香楽を知る前に初めて精油で作った香水も「ハンガリーウォーター」をモチーフにした香りでした。

その時の香りが、当時のアロマセラピーの先生に褒められ、香水作りに興味を持つきっかけとなりました。

実は私はあまり香水はつけないのですが、この香りだけは今でもたまにつけます。
ローズマリー、ラベンダー、ベルガモットなど自然の豊かな香りにかなり癒されます。

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マリー・アントワネットの香水

18世紀のフランス王妃マリー・アントワネットは、専属の調香師ジャン・ルイ・ファルジョンにお気に入りの宮殿プチ・トリアノンの香水づくりを依頼しました。

ジャン・ルイ・ファルジョンはマリー・アントワネットのイメージや、音楽から発想を得て、音楽を奏でるように香りを構築していきました。

香水にはさまざまな花の香りがブレンドされていますが、中でも象徴的なのはスミレの花の香り。スミレの香りひとつで、これだけのイメージが込められています。

<スミレで描いた王妃のイメージ>

王妃の愛するバラに匹敵するスミレ、この香りが突如として精油の中から香り立つ。

スミレは一風変わった花で、一見恥ずかしがって日陰を好み、どちらかといえば控えめだが、特徴のある香りの強さは羞恥心がある風貌と裏腹だ。ゆえにスミレは国家継承を約束されたみずみずしく前向きな王女のイメージである。国王妃となった暁に、彼女の本当の姿を隠し、なんでも包み隠し得ることもまたスミレらしい姿なのだ。

またスミレの香りは、かつての恋人フェルセン伯爵との恋も象徴していた。通常、消え去りし恋と呼ばれていたが、そのためにもスミレを使いたかったのだ。


マリー・アントワネットの調香師 ~ジャン・ルイ・ファージョンの秘められた生涯

参考書籍『マリー・アントワネットの調香師 ~ジャン・ルイ・ファージョンの秘められた生涯』
著エリザベット・ド・フェドー(2007)原書房
※香りのイメージが文章から見えるような本なので、香楽をする方におすすめです。

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このように豊かなイメージで重ねられた香水は、プチ・トリアノンをイメージさせるだけでなく、王妃の心や人生までも描き出しています。

当時は、現在の香水よりもイメージや感性で創られた香水が多いのではと思います。

4711(フォーセブンイレブン)

18世紀の終わりにドイツで生まれたこの香りは、世界初のオーデコロンとして誕生しました。

4711公式サイト

その始まりは、1792年に修道院が婚礼の祝福として送った一枚の羊皮紙。
そこに記載されていたのは「アクア・ミラビリス(不思議な水)」の処方です。

アクア・ミラビリスの発売から4年後、ナポレオンの占領により駐留したドーリエ将軍は、フランス軍の混乱を防ぐために、ケルンの全ての建物に番号を表示するように命令しました。その時記されたのが「4711」でした。

彼らは不思議な水をオーデコロン(ケルンの水)という名前とともに家族や恋人の元へ送り、それがフランス中に広まりました。


4711 オーデコロン 100ml

シャネルNo5

調香師エルネスト・ボーが1920年にガブリエル・シャネルに依頼されて作った香りで、脂肪族アルデヒドを大量に使用した新しい香水として有名なりました。

<シャネルNo5にまつわる伝説>
調香師は持続性のあるアルデハイドを研究していたが、気の短いシャネルは調香にあまり時間をくれなかった。そこで、サンプルのひとつにアルデハイドを大量に入れた。そうすればシャネルがそれ以外のものの中からひとつを選ぶだろうと思った。順番通り香りを嗅ぐと、シャネルは5番目の瓶を手に取り「これです、私の香水は」と言った。

シャネルは花の香りではいモダンな香水を求めていた。

どんな名前にするかと聞かれると、シャネルは「ここに書いてあります。きっと幸運を運んでくれるでしょう」と答えた。5という数字は彼女のラッキーナンバーで、5月5日にコレクションを発表することになっていた。

参考『フォトグラフィー 香水の歴史』ロジャ・ダブ(2010)原書房

 

この香水は今までにないモダンな香りとして大流行しました。

発売から90年以上経った現在でも、アルデハイドを使った香水を「モダンタイプ」と呼ぶのは、シャネルNo5の伝説に由来しています。


CHANEL No.5 香水

 

ハンガリーウォーター、4711、シャネルNo.5の逸話は特に、香りを学ぶ上では欠かせない(必ず出てくる)お話です。

新たな歴史を生み出すきっかけとなった香水たち。
逸話を知って香りを見ると、また違った景色が見えるかも知れません。

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