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平安時代の男性は「香り」で女性を虜にしていた!

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日本の香りの歴史はとても古く、平安時代から完成された文化として存在していました。

当時の貴族たちは、自分のカッコよさやセンスの良さをアピールするために
競ってオリジナルの香りを調合していました。

良い香料は高価なため、貴族としての高い財力を示すのにも役立ちました。

当時の文献によると、香りは42種類あり、
その中でも人気の高い6種類を「六和香(ろくわこう)」と呼び、親しんでました。

沈香(じんこう)
丁字香(ちょうじこう)
薫陸香(くんろくこう)別名:乳香
貝香(かいこう)
白檀香(びゃくだんこう)
麝香(じゃこう)

これらの香りをブレンドして、オリジナルの香りを調合していたのですね。

貝香は、貝を粉末にしたもの。練り香の材料になり保香剤としても機能していました。
他の香料は、呼び方を変えれば今も親しまれている香料です。

沈香は伽羅
丁子はクローブ
乳香はフランキンセンス
白檀はサンダルウッド
麝香はムスク

見ているだけで、良い香りがしてきそうですね。

通い婚で「匂い」をアピール

当時の結婚は、男性が女性の部屋に通う「通い婚」でした。

調合したオリジナルの香りを着物や恋文に焚きしめて、女性にアピールします。暗がりの中でも自らの存在、魅力が伝わるように、美しい香りで表現しました。

今のように電気もなく、夜は真っ暗ですから、
女性は、男性の声と気配だけでは不安になってしまいます。

しかし、良い香りがあると一変します。
聴覚と嗅覚が優先となり、想像力をかき立てて、暗闇がかえって心地よくなるほどに彼の魅力を引き立ててくれます。


yozakura1.jpg / kahvikisu

暗がりで出会う、夢のような良い香りの異性・・・。
かなり妄想が膨らんでしまいそうなシチュエーションです。

香りという優美な世界での異性とのコミュニケーションは、
さぞ想像力をかき立てたことでしょう。

姿かたちよりも「匂い」と「声」を重視するって、何とも雅(みやび)な世界ですね。

女性は、男性を選ぶときに無意識的に「匂い」を重要視していると言われています。それは、相性の良い遺伝子情報を読み取るための本能ですので、香りを使って女性にアピールすることはとても理に適っていると言えます。

自分という存在を香りで表現した平安時代の日本人の感性は本当に素晴らしいと思います。

どこよりも進んだ香り文化は、何処へ

しかし、現代の日本人は、高度な香り文化を持っていたことを忘れてしまっています。(私も香りを学ぶまで知りませんでした)

そして、日本独自のものより、海外から入ってきた新しい香りが素敵に見えてしまいます。

しかし、平安時代も、香料は海外から輸入されてきたものでしたので、「異国の地から来た新しいものが好き」というパーソナリティは今も変わっていないのかもしれません。


tale of the genji / cdrummbks

日本の香り文化は源氏物語が世界で翻訳されて読まれていることで、世界に知られています。

驚異の香り文化を持った日本人

私の香水の先生である山下文江先生は、フランスへ香りの留学に行ったとき、「日本人」だということで、フランスの先生方から注目されて驚いたと教えてくださいました。

「高度な香り文化を持つ日本人は一体どんな香りの組み合わせをするのだろう?」と、興味津々で見ているのだそうです。

日本人的には、フランスの方が高度な香水文化を持ってそうな感じがするのに、不思議なものです。

ちょっとすごいかも?

今では、どことなく「香水は女性がつけるもの」という認識があります。

平安時代の男性たちが、こぞって香りの調合をしていたと思うと、とっても不思議です。

男性も、「香りは女性のもの」と思わずに、どんどん香りの世界に入って(戻って)来てほしいと思います。

アロマセラピーや香水、香楽の世界と個人で楽しめるものも色々とありますので(*’▽’)

 

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